(福祉)愛EYEプロジェクト


「北陸地域における研修会:
障害者へのパソコンボランティア
指導者養成出前研修FROMおおさか
~どうする!?もう一歩先のIT支援~」


  

     
時:2007年7月7日(土)13:30~17:00  7月8日(日)9:30~17:00

場所:ウイング・ウイング高岡 

研修会:503研修室 
交流会:キッチンサロン(606号室) 


参加者:54名

    受講者  38名(内NAT会員21名) 
    講師   6名
    大阪事務局  3名
    手話通訳   4名 
    ボランティア    3名(手話、要約筆記)


内容:

大阪職業リハビリテーションセンターの講師を招き、北陸地域でボランティア
で障害者へのパソコンサポートを行っている人、また、今後パソコン
ボランティアとして活動する意欲のある人を対象とした研修会を行った。

研修会では、視覚、聴覚、肢体に障害のある方が自身のパソコン活用法に
ついて講義を行った。

また、北陸地域(福井、石川、富山、新潟)のパソコンサポート団体が互いの
活動報告をし、意見を交わした。

2日目にはグループ別に課題が与えられ、ディスカッションを行った。

講義に並行して、パソコンによる要約筆記も行われた。



【1日目】

1.開会挨拶    (能登和敏)

2.要約筆記について(小松裕子)


3.視覚障害のある人の情報入手と活用 (講師:有本圭希)

視覚障害者で最初に普通高校の英語教師になった方の
パソコン活用方法の話。

授業に必要な教科書や教師用のマニュアルをパソコンに取り込み、
テキスト化したものを利用している。

不足部分は、対面朗読・ないーぶネット・生徒の協力で補っている。

授業では、PCをプロジェクタでスクリーンに投影し、黒板として使用している。

生徒はプロジェクタに接続されたキーボードを使って、英作文を行う。

教師は生徒のキーボードに接続したブレイルノートのタッチカーソル機能を
使って、綴りの間違いなどを訂正する。

スクリーンが見えにくいという生徒の要望に応え、授業内容はインターネット
ディスクで公開している。

職員会議の資料はインターネットの共有フォルダに入れてもらい使用している。

私生活では、価格の比較、辞書ツール、預金管理、スカイプ による情報交換
など様々な用途でパソコンを使用している。

盲学校の生徒にパワーポイントの良さを説明してあげてほしい。

職業選択の幅が広がる。



4.聴覚障害のある人の情報入手と活用(講師:赤塚光昭)

手話での講演。

以前は手話通訳のあるTV番組や字幕放送が不十分だったため、聴覚障害
者は情報入手が大変困難だったが、コミュニケーションツールが、ファックス
からPCや携帯のメールに移行してから、大変便利なった。

例えば、自宅に緊急のファックスがあれば、外出時でもメールで確認できるし、
聴覚障害者向けのテレビ情報やインターネットテレビは、災害が起きたときの
情報収集に大変便利である。

テレビ電話やメッセンジャーを使えば、離れた場所から手話で会話ができる
ようにもなった。

聴覚に障害のある人には、日本語(言語)が苦手な人が多い。

PCサポートをする際には、各人の障害の性質に応じたコミュニケーション
(筆談、手話など)をとることが大切。

聴覚障害者はPC画面と手話を同時に見るのは難しいので、アシスタントが
必要。

手話通訳者には、パソコンの知識も求められる。

復習用のテキストやビデオがあると有難い。


5.ポスターセッション

1.石川県視覚障害者パソコン支援友の会  田中修 
  http://pb92.sakura.ne.jp/

2.えだまめの会(富山県)  谷内正史
  http://www.toyamav.net/~edamame/

3.高岡障害者就業・生活支援センター 岩坪香

4.富山県聴覚障害者センター  久保誠人 
  http://meinancho.exblog.jp/5283519/

5.ナレッジふくい  田淵敬義
  http://knowledge-f.jp/

6.ひみパソボラネット 宮永志朗

7.bitsとやま  堀恵一
  http://www.bitstoyama.com/

8.ぴあサポート 津田孝司


が、活動報告を行った。



6.マイクロソフト社のアクセシビリティーの取り組みについて
                        (講師:細田 和也氏)



ウィンドウズビスタのアクセシビリティー機能強化について。

自身も視覚障害者でマイクロソフト社開発部門で製品のアクセシビリティ
機能のテストに携わっている細田和也氏による講演。


1.簡単操作センターの紹介

  障害(視覚四肢、聴覚、発声、認識力)に応じパソコンを使いやすくする
  ための設定を提案。


2.ナレータ機能と音声入力機能の強化について

 ・日本語対応のスピーチエンジンを組み込むことで、画面情報を読み上げる。

 ・専用マイクを装着しコンピューターに向かってしゃべることで、コンピュータ
  の操作や文字入力ができる。


7.交流会

参加者が飲食しながら歓談、情報交換し、交流を深めた。NATメンバーによる
雅楽の演奏も行われた。


【2日目】

8.肢体障害のある人の情報入手と活用 (講師:吉永昭吾氏)

自身も筋力低下のため車椅子を利用している。

肢体不自由の人がパソコンを活用する際には、テーブルの足元をすっきり
させる、机の高さや奥行きを整えるなど、車椅子での出入りがしやすい
環境を整えることが必要。

支援機器としては、片麻痺の人の場合、キーボードを固定する方法がある。

震え、不随意運動がある人には、キーボードカバー、大型キーボード、トラック
ボールを使用する方法がある。

筋力低下の場合、小さいキーボード、ソフトウエアキーボード、ヘッドポインタ、
息を吹きかけたり顔で触れたりして文字を入力する方法などがある。

この他、市販の支援機器に、ちょっとした工夫を施すことでより快適にパソコン
を使うことができることを紹介。



9.視覚障害のある人の支援の実際 (講師:小島紀代子氏)

信楽園病院内での眼のリハビリテーションの取り組みと、重要性について。

信楽園病院では、中途視覚障害者の悩みの相談・ロービジョンケア・パソコンや
点字などの教室・生活訓練などを行っている。

きっかけは中途視覚障害となった患者の自殺。

中途視覚障害者の5割は死を考えるという。

スタッフは内科医・眼科医、東京の歩行訓練士や生活訓練士で構成される。

支援をする上で大事なことは、相手をよく見たり話を聞いたりしながら良さを引
き出すこと、他者を思う心を忘れないこと。

自分が良かれと思ったやり方を相手に一方的に押し付けてはいけない。

サポート場面で、スタッフはつい手を出してしまいがちだが、当事者が
自分自身の力で達成できるよう「待つ」ことも大切である。

さまざまな職種や団体の人との連携を大切にし、より良い支援ができるように
したい。


10.支援技術とボランティアの連携 (講師:米崎二朗氏)

大阪市に事務所を持ち、3人体制で福祉用具や住宅改修の相談を
受けている。OTの資格を持ち、海外でもボランティア活動を行っている。

今回はマラウイでの活動を中心に話をした。

米崎氏はマラウイで障害がある人がPTになるための学校の教師を務めて
いる。

この学校は「この国を1番理解しているのは障害を持っている人である」との
理念からつくられた。

この学校に通う生徒は孤児であり、米崎氏が里親となっている。

そのため、生徒の苗字は皆「ヨネザキ」である。

活動を行う上で支えにしている言葉は「平凡の非凡」。

支援とはあきらめを支えること。

人への尊厳と理解を大切にしながら活動を続ける。

「福祉には妥協がない」という言葉が印象に残った。


11.グループ別課題演習 課題発表

受講者を2グループに分け、各グループに課題が与えられた。

どのように支援していけばいかグループで話し合い、発表した。

この日与えられた課題は以下の2つ。


1.筋力低下の男性の支援について

2.中途失聴の女性の支援について



12.NATによるケーススタディ (麻野井千尋)

事前に取ってあったアンケート調査を元に、各参加団体から出された問題点を
紹介した。


事前アンケートで各団体が、

1.障害の多様性への対応

2.支援技術について勉強

3.会場、インターネット環境の確保

4.就労など次のステップに向けたサポート
 について、問題を抱えていることがわかった。

さらに現在NATで支援方法を模索している2名の事例を紹介し、受講者の意見
やアドバイスを求めた。


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アンケートから

受講者15名から回答をいただいた。

Q1.本講座の内容はいかがでしたか?

大変面白かった 7名

面白かった    7名

無回答       1名


Q2.本講座の中で興味深かった内容を教えてください
                   (複数回答可・延べ人数)

a) 視覚障害のある人の情報入手と活用      5名

b) 聴覚障害のある人の情報入手と活用      5名

c) ポスターセッション                   5名

d) マイクロソフト・アクセシビリティの取り組み    6名

e) 交流会                          5名 

f) 肢体障害のある人の情報入手と活用       7名

g) 視覚障害のある人の支援の実際          6名

h) 支援技術とボランティアの連携           7名

i) ランチミーティング                    1名

j) グループ別課題演習・課題発表           4名

k) ケース・スタディ                     5名

 

Q3.誘導、スタッフの対応はいかがでしたか?

大変良かった   9名

よかった      3名

まあまあだった  3名

無回答       1名


Q4.配布資料や講義の進め方はいかがでしたか?

大変良かった     3名

よかった        11名

まあまあだった    1名

※点字データへの提供があれば尚よかった     


Q5.会場までの道のりは分かりやすかったですか?

大変わかりやすかった   7名

わかりやすかった      2名

まあまあだった       3名

わかりにくかった      1名

無回答            1名


Q6.会場内の移動に支障はありませんでしたか?

全く支障がなかった     7名

さほど支障がなかった    2名

まあまあだった        3名

無回答             2名


Q7.このような講習会にまた参加したいですか?

    参加したい      13名

    無回答          2名



Q8.本講座の感想をお願いします。


20代 男性 公務員

私が知らなかった他障害種や他団体の活動を知ることが出来、
勉強になりました。ありがとうございました。


30代 男性 会社員

普段なかなか一同に集まる機会がないので、今回の勉強会は大変
ためになりました。


40代 女性

パソコンボランティアの活動と皆さんの前向きな姿勢、気持ちの深さ、
技術の高さに感動しました。これからもよろしくお願いします。


40代 女性 公務員

眼や耳に障害がある方といいながら、参加されているいる方はもちろん
障害者の方々のすごい”力”というものを感じた。
五体満足の自分がはずかしくなる思いでした。
皆さんのやさしさに触れることが出来てとてもうれしかったです。


40代 男性

視覚、聴覚、身体等の障害を持った方達が、パソコンを学ぶことにより、
多くの方とコミュニケーションを図り、日常生活に生きがいを見出していたり、
さまざまな工夫をして使いやすさを試行錯誤しながら見出していくことの
大切さを痛感しました。
また、携わるボランティアの方々も試行錯誤しながら障がいを持った方達
との交流、運営を維持していく大変さ等、得るものが非常に大でした。
経験を通じての話ですので、実に有意義な講座でした。
ありがとうございました。


40代 男性 指導員

お招きいただいて感謝しております。ありがとうございました。
参加者の皆さんの意識の高さに驚きました。
今後とも皆さんのすばらしい支援を期待いたします。


40代 男性 会社員

NATの皆様お疲れさまでした。いろいろ準備が大変だったと思います。
大阪からの講師の方々にはさすがにわかりやすい説明ありがとう
ございました。
NATの説明を今少し前段階で細かくしてもらえればよかったです。


50代 男性

各方面で活動している人の生の声が聞けて参考になりました。
大変勉強になりました。
まだまだやることがあるなと思いました。
皆さん元気があってよかったです。今後も連絡をとったり、交流して
いけるとうれしいです。
ありがとうございました。


60代 女性

最終日だけの参加でしたが、本当に全体参加したかったです。
今後また同様の企画に参加し、我グループ会員も状況を伝えたい。


60代 女性

パソコンを通じて他県の情報を得ることができた。ボランティアと簡単に
思っていましたが、なかなか深い!!人の痛みが分かって共感できる人、
そしてボランティアする側では一人で解決しないで相談しながら進めたい。


60代 男性

私は視覚障害ボランティアに参加していますが、聴覚障害、身体障害等
いろんな障害の内容を聞き、そのサポートの対処の仕方が心構えを含め
参考になりました。


60代 男性 NPO理事

大変ありがとうございました。今回参加させていただいて非常に有意義な
お話を聞くことができ大変喜んでいます。
会場も駅から近く、またすばらしい建物に驚きました。
大阪、新潟からこられた講師の先生方のお話はとても参考になり、MSの
方の新しい話題にも触れ大いに勉強になりました。
また、グループ別課題演習は良くあるケースであり、今後ボランティア
グループとしてどのように答えていくかが課題だと思いました。
NATの皆様には大変お世話になり本当にありがとうございます。
次回も是非参加したいと思います。


60代 男性

とてもよかった。


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