(福祉)愛EYEプロジェクト


SYさんの感想

 先月の28日、高岡市美術館特別室において、NATスタッフの方の
企画による「触れて!聞いて!!絵画&伝統工芸品鑑賞会」に参加
させて頂きました。私のような視覚障害者にとって「美術品鑑賞」とは
「見る」ことであり、大の苦手でした。
 今回は「触れて!聞いて!」ということで、大変興味を持ちました。
文学青年のように熱く語られる藤井学芸員さんの言葉が印象的でした。
「美術品を長く保存する」と「美術品を充分に鑑賞して欲しい」という相反
する事の両立に心を砕いておられるように感じました。
 以下に鑑賞した5品目について感想を書いて見ます。@胡銅器(さはり)
銅鑼(どら) 金森正一作作品名 萌芽文銅鑼「豊音」(ほうがもんどら、
ほうおん)手袋をして、ドラを触って見ました。直径50センチ程で、持ち手
のないフライパンのようであり、中心部は外へ向かって饅頭(まんじゅう)
のように叩き出した形になっていました。この饅頭部をマイクのような形
の物で叩いて音を出します。ドラ本体は鹿皮ひもで木枠に吊り下げられて
います。音はなかなか味のある音色でした。自分で音を出せるなんて、
滅多にできる事ではありません。この企画ならではの事です。よく聞くと
綺麗な音に混って「ビビビーン」という雑音が聞こえる事がありました。
これは、ドラ本体の鹿皮ひもを木枠から外して手で吊り下げると聞こえ
なくなりました。音は本当に微妙なものですねえ。
 A蝋型鋳造花器 一ノ瀬宗右衛門作 作品名 かまきり文花器 節を
一個残して竹を輪切りにした形のもの。上端部に本物そっくりのカマキリ
がいる。大人になってから本物のカマキリを見た事があったかなあ?あま
りにもリアルに作ってあるので、壊すかと心配しながら触った。
 B鍛銅瓶掛 祖川祖仙作 作品名 龍文銅鍛金瓶掛 この品を両手で
持ってビックリ! あまりにも軽い!本当に銅製かと疑った。容器の内側
を触って見ると、厚みを感じない。底にある3つの脚も中空になっている。
これなら軽いかも知れないと思った。上部を取り巻く竜の細工が凄い。ツノ
や口、ウロコなど、素手で触って見たかった。藤井学芸員の話によると、
作者の祖川氏は石川県の作家、泉鏡花と義兄弟であると言う。またその
頃の金沢と高岡の関係の話も興味を持った。
 C堆朱(ついしゅ)硯箱 石井勇助(三代目)作 作品名 風神文硯箱 
漆器は長持ちしやすいという事だろうか?この作品は素手で触る事がで
きた。しっとりとした触感である。黒と赤の漆を交互に塗り重ねてあるそう
で、触った感じでは2〜3ミリほどの深さの彫り込みがある。何十層も塗っ
てあるのだろうか?描いてある絵は分からなかったが、赤と黒の等高線
がいろんな模様を描いているのだろうと思った。
 後悔したのは、中の水さしや硯を触り忘れた事。D日本画 梶田半古作 
作品名 比禮婦留山(ひれふるやま)先に絵に描かれている内容を聞きま
した。山(崖?)の上から身を乗り出すように沖の舟を見送る女性を思い浮
かべました。ある程度の幅が必要かな?と思ったら、やはり幅のある掛け
軸でした。巻き取られていた掛け軸がシュルシュルッ と垂れ下がっていく
音は独特でした。密封されていたものが解き放たれるような感じ。11時半
までの予定がアッという間に過ぎてしまいました。午後から予定がなければ
もっと鑑賞したい気持ちでした。いつか同じ機会があれば、又た参加したい
と思います。
 お世話をして頂いた皆さま。どうも有難うございました。

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