(福祉)愛EYEプロジェクト


SKさんのの感想

  本音を言うと、見えなくなっている私にとって美術鑑賞というのは、
苦手だった。これまでも世界の有名な美術館を幾つか訪れ、触れて
良いといわれる作品には触れてきた。しっかりした解説の無いままに、
ゾロゾロと付いて歩き感動をすることは無かった。それが、今回地元の
美術館で、学芸員の懇切丁寧な解説を受けながら鑑賞が出来た。
 先ず、美術館の備品である手袋着用で、錫と銅の合金で作られた
銅鑼を触り打たせてもらった。これはズシーンと耳やお腹に沁みるよう
な残鐘と言うべきか余韻を響かせた。
 二番目には孟宗竹を切って花器にしたような銅器の側面に実物大の
蟷螂が付いている作品、この蟷螂が目玉や、足の折っている様子、羽
の有様まで実に繊細に作られているのを、そっと触れさせてもらった。
 3番目は鍛金術で打ち一枚の金属から直径30センチくらいの壺と言う
のだろうか、側面に竜の姿が浮き上がっているのを丹念に触らせてもら
った。
 4番目は漆工芸品の箱、赤と黒の漆を重ねて塗った後から文様を彫っ
たという代物、風神様の様子を現しているのを、素手で触らせてもらった。
 最後は絹に描かれた日本が、掛け軸になっていたがこの絵の構図か
ら描かれている女性のポーズ迄を解説していただき、最後には私自身描
かれた女性と同じようなポーズをとらせてもらって、いやがうえに、理解は
深まった。
 今回の美術鑑賞は、この学芸員が心をこめて、視覚障害者の為に、選
んでくださった作品ばかりである。そして彼の造詣深い解説で、私は非常
に感銘を受け、一晩過ぎた今も、その感動に浸っている。

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